中長距離ランナーのための【ランニング広辞苑】

高地・低酸素トレーニングの効果。結構身近に体験できる時代!種目問わず取り入れてほしい理由

time 2018/12/08

高地・低酸素トレーニングの効果。結構身近に体験できる時代!種目問わず取り入れてほしい理由
  • 血中酸素濃度と高地トレーニング

本日は血中酸素濃度について。述べていこうと思います。

血中酸素濃度とは、、、

 文字の通り、血液中の酸素の割合です。一般的には95〜99%と言う数値が正常と言われております。最大値は100%。なのですが、100%だと、血液中から体の組織に酸素がうまく吸収されていない可能性もあるので、99%が適切な数値です。

 ちなみに、この血中酸素濃度。血圧などと同様に、起床時に測ることで、体調を確認することができます。僕の場合は、基本的に98〜99%ですが、キツイ練習の翌朝や、体調の悪い日には、96%まで落ちていたりします。実際に、血中濃度が98%以下であれば、運動には向かない体調であり、いわば酸欠状態で、走っているような状況になります。

spo2(血中酸素飽和濃度)が下がると??

もちろん体は、酸欠状態では疲れる一方なので、改善しようと、様々な工夫をします。

ボア効果

血中の酸素を体の組織と結びつきやすくする機能で酸素がより体内にいきわたります。

 

ミトコンドリア活性化

筋肉内に存在するエネルギー産出機関。これが増えるとより疲れにくい体になります。また、エネルギー産生量が多くなるということは筋パワーも上昇する傾向にあります。

 

血流改善

これはそのままですが、血管が拡張し血流が改善します。

 

エリスロポエチン生成

造血ホルモンであるエリスロポエチン。酸欠状態はこれを積極的に分泌。赤血球増加は、疲れにくい体を作ります。これは貧血改善効果といったとらえ方で構いません。かなり期待できますよ。

 

アンチエイジング

新陳代謝の向上によってアンチエイジングも可能です。

など体が様々な反応を示します。

 

どうやったら下がるのか。

血中酸素濃度を下げるには吸う酸素の量を制限する必要があります。酸素量の制限といっても呼吸を止めるようなトレーニングや呼吸を制限するようなマスクは危険性が高いうえ、苦しくて長続きしないためお勧めしません。より効率的に血中酸素濃度を下げる方法があります。

高地トレーニング

皆さん、高い山に登ると空気が薄くなるのはご存知ですよね?富士山に登って高山病になる人は、この酸素濃度の低下が原因です。実際、標高1300m越えの山に行くと徐々にトレーニング効果のある酸素濃度まで空気が薄くなります。大体2500mくらいの標高までがトレーニングを行うのに最適とされています。

これ以上高すぎてもダメージが大きいため逆効果です。これは気圧が低く空気の全体量が少ないため、そこにある酸素も比例して少なくなっているという仕組みです。ただ滞在費がかかり、時間やお金に余裕のあるランナーにしかお勧めできない方法です。しかし、24時間低酸素状態で生活できるため実感は大きいです。

低酸素トレーニングルーム

こちらの低酸素トレーニングルームは、人口的に高地と同じ酸素濃度を作り出したものです。仕組みとしては空気中で8割を占める窒素を室内に注入して、酸素の割合を減少させるものになっております。こちらは高地トレーニングのように継続的に1日中低酸素というわけではありませんが、実際に低酸素トレーニングは週に1回30分でかなり効果がありますし、コストも登山に比べるとかなり抑えられます。低酸素トレーニングルームジムなんかも最近は各地域に存在し、「30分の運動で2時間の効果!!」などかなり効果の期待できるキャッチフレーズが印象的です。

 

効果と注意点

 これは血中酸素濃度を85〜90%と、普通ではアスリートが倒れるほど追い込んでも到達できない90%以下の値まで下げることが可能です。これを定期的に行うことで、体はボア効果やミトコンドリア活性化などよりもさらに強い反応を示します。ダイエットにも効果的に働き痩せやすい体へと変貌します。

 ただし、ミトコンドリアの活性化によってエネルギーの産生も活発になりりますので発汗量も半端ないです。低酸素トレーニングの時は水分補給をいつもの1.5倍行う事を心がけましょう。これによって、体は活性化を続け、徐々に進化して行くというわけです。

 ですが血中酸素濃度は、80%以下に下げると、低酸素脳症を引き起こしたり、高山病になりかねないので、慣れないうちに激しい運動は控えましょう。低酸素トレーニングルームには絶対に指導員がいて血中酸素濃度を測定する機器(パルスオキシメーター)を使用し、定期的に血中酸素濃度を計測します。低すぎた場合トレーニングを中断させられます。

また、エネルギーの産出量自体が向上するので、短距離ランナーでも効果を実感する方は多いです。

「血中酸素濃度測定機器」の画像検索結果

 

これで低地に戻ると酸素がたっぷりあるのに、高地で過ごした分体は酸素の供給力に富んだ状態に仕上がっています。そのため運動が楽になります

 

ちなみに

下記は代表的な低酸素トレーニングジムです。石川県にも新しく設立される予定だとか。とにかく全国探せばいろいろと存在するのでご自身の近くを検索してみてください。特に都市部にお住みの方だと探せば結構あります。東京なんかは何件もあるみたいですよ。

関東の低酸素トレーニングスタジオ

関西の低酸素トレーニングスタジオ

関西の高地トレーニングスタジオ

 

筆者の体験談

僕自身、低酸素トレーニングルームを、大学1年生から利用を始めました。学内にある研究施設で効果を実感したため、現在、一般の低酸素トレーニングスタジオを利用して週に1.2回トレーニングを行っています。

実際、怪我の期間や疲れている時にこの低酸素ルームを利用すると、短時間で大きな効果が得られるためすごく重宝しています。実際に1か月競技から離れた時期に、せめてもと思い低酸素ルームにだけは週に1回30分だけ通っていました。

1か月後にろくに練習もせずに挑んだ試合では自己ベストにあと3秒に迫るタイムで走れました。実際、平地でトレーニングを行っていたら、月間37㎞の走行距離でベストタイムに近いタイムで走ることは不可能でした。確実に効果はあると思います。

トレーニングは、自走式(電動ではない)の特殊なランニングマシンで行います。いきなり低酸素ルームに入るわけで、酸素濃度を段々下げるわけではありません。5分間アップをしますが、その後は走ります。普段1㎞を3分40秒前後でジョグをする筆者ですが、ここでは時速14㎞(4分10秒前後)のペースでもかなりきつく感じます。

 

 

 

 

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ちょっと僕のつぶやき。

S。

S。

1996年生。 800m:1分52秒38 1500m:3分54秒53 というまあまあ無難な記録な学生時代。現役ランナーとして部を引退した現在も活動。昔から類い稀な、人体に関する知識や感覚、スポーツの栄養学やトレーニング法マニアで、沢山の人にそれを伝えるのが趣味である。 中学時代は800m:2分15秒、1500m:4分40秒の弱小ランナー 勉強を介して、独学で練習を編成。貧血やスランプも独自で乗り越え、毎年ベストを更。