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シンスプリントと疲労骨折、前脛骨筋痛の正体。解決策と予防法

ランニングの技術や知識
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こんばんは。

今回は、僕の大切な方からの希望で、【シンスプリント】からの【疲労骨折】について書いていきます。

中長距離ランナー、マラソンランナーにありがちな怪我であるシンスプリント。これを悪化させないためのマニュアルになっております。

★はじめに

このページでは、疲労骨折も重症化したシンスプリントと捉えて話を進めます。

医学上は【シンスプリント】と【疲労骨折】は別物ですが、原因や処置はシンスプリントの延長線上にあるので、流れのまま話を進めさせていただきます。

★シンスプリントとは??

シンスプリントは、

①後方型シンスプリント

②前外型シンスプリント

2種類に分類できます。

★後方型シンスプリントとは?

ヒラメ筋後脛骨筋を代表するふくらはぎの筋肉は脛骨側面〜背面に沿って存在します。このふくらはぎの筋肉が、走ると何度も連続して収縮します。これによって、ふくらはぎの筋肉の動きに沿って脛骨の骨膜が引っ張られ、骨膜の炎症を引き起こします。これが後方型シンスプリントです。これが悪化すると疲労骨折します。

★前外型シンスプリントとは?

前脛骨筋を代表する、スネの筋肉は脛骨前面部に沿うように存在しています。これも後方型シンスプリントと同様に、前脛骨筋の過度な負担が脛骨の骨膜を引っ張る事によって炎症を起こします。こちらも悪化すると疲労骨折に及びますが、後方型よりは可能性は低い

もちろん後方型シンスプリントにも、脛骨(スネの骨)上部、下部など細かい分類は可能ですが、大きく分けると先ほどの2つに分類することになります。

★重症度の判断

これは前外、後方どちらもほぼ同じです。

レベル1:ジャンプなど強い衝撃で違和感。

レベル2:軽いジョグで違和感。

レベル3:アップで温めれば走れる程度。

レベル4:走ると常に痛いor力が入らない

レベル5:日常生活で痛い。走れない。

↑↑↑ちなみにこれは疲労骨折していた例です。治りかけですが少し盛り上がっているのがわかります。

基本的にレベル2までであれば、走りながら直せる可能性もありますが、レベル3以降はあまりオススメしません。

アップをすると、血流が良くなります。体が温まると、炎症の熱を感じにくくなるので、炎症に気づかず悪化。というケースが多いです。

◆基本的な経過

急性期(発症〜3日)

急性期は、基本的に休むことを優先した方がいいです。ただの炎症であり、休んだ方がすぐに治るケースが多いです。

亜急性期(4日〜2週間)

亜急性期は、急性期に休まずに激しいトレーニングを続けた場合に移行します。ここでは、1.2日休んだだけでは治りません。激しいトレーニングの場合疲労骨折を起こす場合もあります。

慢性期(2週間以上〜)

ここまでくると炎症範囲が広くなり、痛みも強くなります。激しいトレーニングの場合疲労骨折の可能性もグッと上がります。

回復期

慢性期に入ってから休養をとり、回復を心がけると、炎症物質が減り、回復期にはいりまふ。しかし患部の炎症は治っていないため、走ると再発します。最低でも1週間は休み、運動後にはアイシングを心がけます。

★よくある原因と処置の方法

前外型と後方型は原因が全く違うのか。というとそうでもないです。

原因①:拮抗筋の疲れやコリ

前脛骨筋が凝り固まると、拮抗筋(逆の方向に働く筋肉)である後脛骨筋が張った状態になり、骨膜を引っ張るという状況。

また、その逆もあります。拮抗筋の影響を強く受けやすく、後ろのふくらはぎが凝っている時に、前外型のシンスプリントになる場合もあります。

処置①:

患部だけでなく、ふくらはぎ全体をストレッチやマッサージでほぐすようにしてください。

原因②:シューズの締めすぎ。

これは前外型のシンスプリントの原因としてよく見られる例です。シューズの紐を締めすぎると足の甲を強く圧迫します。前脛骨筋は足の甲を通って母指球の手前まで伸びているため、シューズの紐を締めて圧迫すると、筋肉が緊張し、負荷が大きくなります。

処置②:

シューズの紐をいつも通りしめます。そこで結ぶ前に、両手に持ってる紐を片方2、3センチずつ緩めてみてください。前脛骨筋へのストレスが軽減します。

原因③:足首の向きやアーチの低下。

足首が内側に入ったり、外反母趾、または、足底のアーチ自体が下がっている場合には、地面からの衝撃を強く受けます。

すると、物理的に骨への衝撃が強くなり、シンスプリント、疲労骨折の原因になります。

処置③:足底のケア

足首が内側に入るのも外反母趾なのも、足底の筋肉が大きな影響を与えています。まずは竹踏みなどを徹底して行い、しっかりとしたアーチと柔らかい足底を作り出すことが最優先です。足底テーピングなどが有効になってきます。アーチを無理矢理にでもあげる事で、衝撃を緩和、スムーズな体重移動が出来て、負担を減らせます。

⇒(おすすめ足底筋群テーピング例

原因④:腸腰筋が弱く足が上がらない

腸腰筋が弱く足が上がらない型に多く見られるのが、膝が上がり切らずすり足で走るため、膝が曲がったまま踵、もしくは中足部で接地して、前脛骨筋とヒラメ筋に強い緊張を与えるフォーム。腸腰筋が疲れている場合にも同じ状況が見られることがあります。

処置④:腸腰筋のトレーニングや柔軟性

レッグレイズやニーレイズなどの腸腰筋トレーニング、腸腰筋のストレッチ、マッサージを重点的に行うといいでしょう。仰向けで寝て前ももをストレッチする姿勢になり、その状態で他人に大腰筋、腸骨筋、大腿筋膜張筋あたりをマッサージしてもらうといいかもしれません。

原因⑤:強い衝撃、筋肉や骨膜が衝撃に弱い

過剰な負荷も原因ですが、普段以上の負荷を骨膜が受けるから炎症を起こします。

実際に走っていても炎症が起きない人もいますから、炎症が起きやすいということも考えられます。

処置⑤:つま先の上げ下げ動作と、踵歩き

階段など段差のある部分に、降りる方向に向かって踵だけ階段に乗せ、つま先は何も踏んでいない自由な状態で立ちます。

②そこから、最大の可動域でつま先を上下に動かします。タイミングは1秒ごとに上、下、といった感じです。

③次に、膝を軽く曲げ中腰になります。そして同じくつま先の上げ下げを最大限で行います。これをそれぞれ30秒×2セット、合計4セット行います。

④平地に移動し50歩、つま先を上げた状態で踵歩きをします。

これは、前脛骨筋と後脛骨筋の最大可動域の動きで刺激を入れておく事で、最大可動域以下の走行中の筋肉の骨への刺激に耐えられるようにするため、また、筋肉自体を収縮と弛緩でリラックスさせる効果もあり、シンスプリント、脛骨疲労骨折の治療には最適です。そして、リハビリ的な要素もあり強化にも繋がります。

ちなみに、、、

※シンスプリントなどと言う怪我は昔は日本人には少ない物でした。洋式の文化が入って以来、この怪我が多発するようになりました。和式で座布団に正座する時、前脛骨筋はストレッチされた状態になりますよね?

現代では正座すると足が痛いと言う子が多いです。そもそも前脛骨筋の柔軟性がなさすぎるんです。

また、和式トイレから洋式トイレに変わった事も原因です。和式便所で用を足した事ある方ならわかるとおもいますが、いわゆる「うんこ座り」は前脛骨筋にかなりの負担を要し、また、ヒラメ筋のストレッチ効果も高いです。健康な方なら1日1分のトイレを5回以上行くわけですから、そりゃ強くなりますよね。

と言った余談でしたが、このように、前脛骨筋とヒラメ筋、後脛骨筋とシンスプリントの関連性は高いです。それより実用性のある刺激を入れようとしているのが、先程の処置⑤のつま先上下と踵歩きになります。

特に処置⑤の方法は予防にもなるので毎日行うといいでしょう。

前脛骨筋の負担を減らす

そして、前脛骨筋限定の対処になりますが前外型で、前脛骨筋が気になる方は踵の高い靴を履く。もしくは意図的に踵に物を入れて高くする。という事をすると、前脛骨筋の緊張は緩まります。

また、筋肉の圧迫が有効です。前脛骨筋をテーピング等を使って圧迫してやると比較的楽になります。

★医療的ケア

また、急性期、亜急性期、慢性期問わず、痛みがある場合は炎症が起きていますので、練習後には共通の処置としてアイシングを徹底してください。

急性期、亜急性期には湿布剤や消炎剤が有効になります。

慢性期には、筋肉が凝り固まって柔軟性が低下している場合もありますので、寝る前にはお風呂上がりのストレッチをします。

竹踏みやゴルフボール踏みなど、足の裏のケアも徹底しましょう。足の裏にはふくらはぎにつながる筋肉がたくさん付いてるので、足の裏をほぐすだけでもかなり、ふくらはぎが楽になる事も多いです。

また、先程の原因①でも拮抗筋の話をあげましたが、足の裏の筋肉が硬いときは、足の甲も固まってる場合があります。

足の甲には前脛骨筋や長拇趾伸筋、長趾伸筋などスネの筋肉も多く付いていますので、一緒に足の甲も解しましょう。特に指と指の間などが固まっていると動きが悪くなりますので、重点的に。

※超音波治療器をよく使う方へ

超音波治療器でのケアを行うなら、

デューティ30〜50%で1.0〜1.25w/cmというところが妥当でしょう。というのも、100%の高出力で行うと、もしも疲労骨折をしていた場合に悪化を招くことになります。上記の出力でも骨芽細胞への刺激、筋肉のマッサージ効果なら十分です。

◆回復期の方法

回復期になると、走り始めたりウォークから運動を始めるランナーの方が多いと思います。

骨折していたは回復期が長くなるとは思いますが、徐々に運動を始める時期だと思います。

走り始める目安としては、片足ジャンプを10回行い、5回以上痛みが出ない事。またアップ前の走り始めの痛みが、自分の中の10段階評価のうち3以下である事。が目安なります。

回復期のコツとしては、最低限1週間、絶対に強化の練習はしないでください。出来れば10日くらいかけて戻すのがベストですが。

どういったことかと言いますと、回復期の練習はあくまで血流を良くして、患部の柔軟性や筋力を戻すためのリハビリ要素の高いものです。戻ってない状態で、強化のための練習をしてもまた同じ箇所を怪我するか、再発。いわゆる「あいつまたシンスプリント」「怪我クセになってるな」と言う状態に陥りやすいです。

疲労骨折の場合は、病院の先生の指示も参考にし、自身の痛みと相談しながら焦らずにゆっくり走っていきましょう。

また、疲労骨折の際は、慎重になってください。新しい骨が出来かけているからと言って、調子に乗って走ると、新しい骨は柔らかいですので、変な形に固まってしまいます。そうすると完治したあとも長い間、違和感や痛みが残る可能性があります。

もし、そのようになってしまった場合は、柔軟性を最大限に高めて、極力骨との摩擦ダメージを減らす必要があります。

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